週刊CAD講座 AutoCADの基本 |
第19回 図形の編集9 |
トリム(TRIM)切り取りコマンド。これはよく使うコマンドです。 先ずは適当な図形書いてください。こんなもんでいいと思います。
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トリム(TR) |
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トリムコマンドを呼び出します。 メニューは「修正」から「トリム」。ツールバーは線分の真ん中に斜めの線が入ったものです。ショートカットは「TR」。 最初に Enterするかマウスの右クリックをします。 次々とクリックしていくと線分が重なっている場所で削除されると思います。 先ほどは図形全体を選択しました。その他の方法で何も選択しないでEnterしても同じことが出来ます。(普通に使う分にはこのほうが早いのでこっちを使ったほうがいいと思います)
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切り取りエッジとトリムするオブジェクト |
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先ほど一番最初に 「現在の設定: 投影モード=UCS, エッジモード=非延長 切り取りエッジを選択 ...」 と表示されました。 この中で「切り取りエッジ」を選択するように言われましたが、この切り取りエッジというのは、切り取るときの境界線だと思っていいと思います。図形はこの切り取りエッジまで線分が削除されます。 そして「トリムするオブジェクト」が実際に切り取られる線分のことを言っています。 チョットやってみましょうか。トリムする前までUNDOで戻ってください。(OOPSコマンドでは復活しないと思います。) この図形だと、「切り取りエッジ」の選択時に左の線分を選択してみましょう。次に「トリムするオブジェクト」にこの図形に交差している線分を選択します。 すると線分は「切り取りエッジ」まで、削除されます。 これで大体「切り取りエッジ」と「トリムするオブジェクト」って言うものが何なのか分かってくると思います。 先ほどの全部選択した時や何も選択しなかった時と動作が違ってくると思いますので、見比べてみてください。
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切り取れない? |
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先ほどの図形で回りに飛び出している図形をみんな削除していくと、四角形が出来上がると思います。 ではこの四角形の一辺もトリムで切り取れるかというとそれば出来ません。試しにやってみても「トリムするオブジェクトを選択」と表示されたままになると思います。トリムコマンドはあくまで部分削除するコマンドで削除コマンドではないのです。この場合は素直に削除コマンド(ERACE)イレースを使いましょう。
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エッジモード゙(延長と非延長) |
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トリムコマンドのオプションには「エッジモード」と「投影モード」があると思います。 トリムコマンドを呼び出して最初に表示される「現在の設定: 投影モード=UCS, エッジモード=非延長」の「エッジモード」のことです。 これは、たとえ交差していなくても、交差しているかのように考えるというオプションです。例えば、こんな図形の場合、ちょうどこの線分で切り取りたいなぁって思っても「非延長」のままだと、交差していないと切り取ってくれません。 でも、「延長」の設定にしておくと切り取りエッジがあたかもここまで延長しているかのようにして線分を切り取ることが出来ます。この違いが「延長」と「非延長」の違いになります。
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投影モード(指定なし(N)/UCS(U)/ビュー(V)) |
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先ほどエッジモードで「延長」と「非延長」の違いが分かったかと思いますが、今度は3D空間で同じことがあった時、その違いが出てきます。 2D空間では同じ平面上に「切り取りエッジ」と「トリムエッジ」がありました。でも3D空間では今見ていると同じ平面状にあるかのように見えますが、チョット斜め横からのぞくと線分の高さが違っているなんてことが良くあります。 例えばこんな時。 移動させた後、表示を平面から等角に切り替えてみます。R14だと「表示」から「ダイナミック視点」(dview)、2000だと「3Dオービット」(3dorbit)でグリグリ動かせます。第3回交点参照。 そうすると線分が上に浮いているのが分かると思います。 この状態でトリムすると自分が思ったところでトリムできないと思います。(エッジモードが非延長の状態でも切り取れたりします)でも、視点を元に(平面図)戻すとちゃんとトリムされているのが、分かります。 で、この投影モードが何のためにあるかというと3D表示になっている場合でも切り取る位置をしっかり制御しようとするためにあります。 もう一度等角図の等角図の状態に戻してください。 次に線分を選択します。すると先ほどとは違いエッジのところまでトリムされると思います。この「ビュー」は現在見ている視点があたかも平面図のようにトリムしますよというオプション設定になります。この状態だといつものようにトリムすることができます。 では、さっき思った通りにならなかったのはなんでか?というとオプション設定に「UCS」が指定されていたからです。UCSはユーザ座標系(user coordinate system)で使用者が自分でここが平面とか言う風に好き勝手に平面を決めることができるんです。
最初の段階では「平面図」とUCSは同じになってますけど、立体的に図形を書きたいなんて場合には、平面を移動させなくてはいけません。もちろん、そんなことをしなくても平面上で立体的にみせることは出来ますが、後で応用が利くんですよね。 この平面を移動させる時に使うのが、UCSのコマンドなんです。MDTを使ったことのあるひとは、スケッチをする時にスケッチ平面をとると思いますが、それと同じことがUCSを使うとできるんです。 ちょっとまとめてみると、「投影モード」のオプションには「指定なし」と「UCS」、「ビュー」と三つの設定がありますが、「指定なし」は等角の視点になろうが、UCSが変更されていようが、最初の状態(WCS)でトリムしますよということ。 UCS ビュー ここでは、とりあえずこのくらいを知っていればいいのではないでしょうか?
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次回は |
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三次元の話で思い出したんですけど、前にドイツのお友達とオートキャドの話をしました。 自分が普段オートキャドをなんに使ってるのと質問すると、勿論図面をつくっていると言いました。そこでどんな図面を書いているのかと聞いてみるとその図面をパソコンで見せてくれました。 INVENTORだったんですけど、それがスゴカッタ。図面はものすごい数のアセンブリの山で、戦車を作っていたんです。砲身からキャタピラの細部にいたるまで、本当に精巧にできてるんです。また、彼はそれを嬉しそうに話すんです。ここの局面が難しかったとか一番大変だったんはアセンブリだとか。 自分は寸法とかどうして調べたのかなぁって思って聞いてみました。彼が言うには戦車のプラモデルの寸法を一つずつ調べたって。 次回も修正関係のコマンドです。「延長」です。オプション設定はトリムと共通になってるんでサクサク終わると思います。
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