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ホーム > AutoCAD > 3次元って
週刊CAD講座 AutoCADの基本

第26回 3次元って

     
最近は3次元CADが、色々出てきました。でも、2次元CADと3次元CADとの違いって何でしょうか?3次元CADをいれるとどんなことができるのでしょうか?
今回は3次元CADについてお話をします。

 

3次元って

     

3次元は点、線、面のほかに奥行きを与えた立体物のことです。ですので、座標はX,Y、Zの値をそれぞれ持ちます。それに比べて2次元は縦と横のX,Y値で表現されます。

紙に絵を書く場合、縦と横の線分で作成しますが、遠近感を与えるとあたかも奥行きをもっているかのように見せかけることもできます。しかしながら、これは実際の奥行きをもっていませんので、3次元とはいいません。

 これは2次元

横から見ると

では3次元はどんなものでしょうか?

目の前にあるディスプレイやキーボードは3次元のオブジェクトです。でも目の前にあるディスプレイやキーボードはただ見ているだけでは、3次元であるという確信を持っているでしょうが、実際に3次元であるかどうかは分かりません。2Dでかかれたものに奥行きがあるかのように描かれているだけなのかもしれないです。

じゃなんで私たちが3次元であるとわかるのでしょうか。一番手っ取り早いのはそれを実際に手にとって見ることです。手にとって色々な角度から眺めることによって初めてそれが3次元のオブジェクトであると分かります。

 3D。チャント色もつけられる

この一番手っ取り早い方法が、2Dと3Dの違いになります。2DCADの場合、見せかけの立体図を作ることができますが、それをグリグリ色んな方向に動かすことは出来ません。真上から見ている限り、立体的に見えても横からみると一本の線になっているはずです。試しに適当な等角図を書いてその側面図を見てみましょう。(MDTを使っている人は押し出しとかしちゃだめです。3Dになってしまします。)

真横からみると一本の線になっていると思います。これは画用紙を真横から見たのと同じことです。

結局、2Dと3Dの違いは立体物の情報を得られるかどうかの違いになります。これは当たり前といえば、その通りなのですが、2Dで立体的に見せかけることができるため、普段忘れがちなことでもあります。

では3次元形状とはどんなものがあるかというと、CADの中では、大体3つに分類されます。
ワイヤーフレーム、サーフェスモデル、ソリッドモデルの3つがそれです。
これらは2次元のような平面ではなく、それぞれ奥行きZ値をもちます。

 

ワイヤーフレーム

      線分で構成された立体物です。これは面をもっていません。針金細工を想像してもらうと一番いいと思います。

 
線分で立体図を構成している。色や影はつかない。

線分だけなので2DCADでも作成できそうですが、2DCADが奥行き(Z値)の機能をもってないと作成することができません。例えばJWCADでは出来ません。AutoCAD LTには奥行きの概念が含まれているためワイヤーフレームを作成することができます。
つまり3Dモデルを作成することができるといえます。よく使うのが、配管の接続状態を見せる場合や建築の梁、等高図を書いている人もいました。

これは、立体といっても針金細工なので、影をつけたり、容積や図心の計算をすることはできません。距離感を正確に伝えたい場合に使うようです。

 

サーフェスモデル

      通常、3次元と言う場合、サーフェスモデルか次のソリッドモデルを言います。
先ずサーフェスなのですが、これは面の集合体です。CG作成にはほとんどこのモデルが使われます。
針金細工に面を貼り付けたようなものハリボテを思い浮かべてください。面を貼り付けてますので影をつくることが出来ます。中身がないので容積や図心は計算できません。


サーフェスの特徴は面がメッシュに分割されていることと、法線をもっていることです。

セガのバーチャーファイターなんかのゲームはポリゴン(多角形)面を組み合わせて作られています。ポリゴンを細かくすると曲面のように見えますが、その分非常に処理速度が遅くなります。

CADではポリゴンよりNURBS(ナーブス)と呼ばれるサーフェスをつかってより滑らかな表面を作ることが多いです。サーフェスモデラーは大抵作っています。車の車体やポリ容器などはサーフェスを使ってあらわすことが多いです。代表的なものに「Rhinoceros」(ライノ)があります。ライノのホームページにデモが載っています。
http://www.rhino3d.co.jp/

ちなみにAutoCADではNURBSサーフェスの機能がないです。NURBSを使いたい場合はMDTのサーフェスを使うことになります。


ソリッドモデル
     

3次元CADって言った場合、大抵このタイブを指します。

饅頭のように中身が詰まったモデルです。そのため、影を出したり、体積計算させたり、干渉チェックなんかも出来ます。


メッシュのラインがありません。

サーフェスと違い自由な曲面をつくることは出来ないので、曲面を作る時にサーフェスの曲面を利用して、形状を作成したりします。(MDTのサーフェスカットなど。)

TopSlidとかSolidWorks、Inventor、MDTなんかのCADでソリッドを作ることが出来ます。


AutoCADでは

     

これまでの話で3次元とそのタイプにどんなものがあるのか、なんとなく分かってもらえたでしょうか。

3次元オブジェクトは立体的でなおかつグリグリ動かせるもの。
そのタイプにはワイヤーフレームとサーフェス、ソリッドの三つのタイプあるって。

では、AutoCADではどこまで3次元を表現できるか?
先ずはLT版ですが、基本的にワイヤーフレームまで作ることができます。その他リージョンで面を貼り付けるとポリゴンのサーフェスをつくることができます。もっと簡単に高さがあるようにみせるなら、「厚さ」を与えてあげるという方法もあります。ちなみにこの厚さを与えたオブジェクトは3次元と2次元の間をとって2.5次元と呼ばれます。


AutoCADのサンプル。確かR14でもこのサンプルがあったような気がします。中身はサーフェスです。(AutoCAD単体でこれを作るのは殆んど不可能だと思います)

AutoCADではワイヤーフレームもサーフェスもソリッドも扱えます。しかし、サーフェスはNURBSサーフェスの機能がないです。また、ソリッドもMDTのような寸法値を変えるだけで編集できるということはないです。2000になってソリッド編集の機能が大幅にアップされましたが、まだ3次元CADと比較するレベルにはありません。

 

次回は

     

三面図から3次元立体図を作成するソフトは

フォトロン図脳ナビ
http://www.photron.co.jp/sub-cad/

などがあります。しかし、修正が必要になってくるのでちょっと複雑なものだと最初から3次元CADを使ってモデリングしたほうが早いです。また、後々のためにもなります。

3次元について、なんとなくイメージがわきました。?分かろうとするとものすごく大変ですけどイメージでつかんでもらえればそれでいいです。

次回はペーパー空間のお話です。