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ホーム > AutoCAD > 3次元CAD用パソコンについて
週刊CAD講座 AutoCADの基本

第28回 「3次元CAD用パソコンについて」

今回はAutoCADからちょっと離れて、自作パソコンについてお話してみたいと思います。そろそろ新しいパソコンを購入しようと思っている人や安く部品だけアップグレードさせたいと思っている人は参考にしてみてください。

 

予算は?
      先ず何から話そうかと思っているのですが、やっぱり予算がないと何事も始まらないと思うので、最初に予算のお話をしてみましょうか?

今(2001/06)新しいパソコンを購入するとしたら、大体10万円くらいで普通のパソコンが買えると思います。例えば、

デルコンピュータ株式会社

\89,800

Intel(R) Pentium(R) III プロセッサ 1GHz 
Intel(R) 815E チップセット 
128MB SDRAMメモリ 
20GB HDD 
最大48倍速CD-ROMドライブ 
1年間オンサイトサービス 
モニタなし 
コンパック

\125,800 

Intel Pentium III 1GHz 
Intel 815E 
128MB/133MHz
20GB Ultra ATA (7,200rpm) 
最大48倍速CD-ROMドライブ 
Intel 3D Direct AGPグラフィックス 4MB (オンボード) 
Compaq V570カラーモニタ(15インチ フラットスクエア) 
Intel AC'97オーディオ(オンボード)、CIRRUS 4299 
Intel 82801BA/82562ET(10Base-T/100Base-TX自動切換え、WOL対応) 
Windows 98 Second Edition 
システム構成価格: 
   

ところがCAD用のパソコンは50万、60万もするものを勧められたりします。
例えばNEC製「Express5800」。今2001年6月現在でのスペックを見てみましょう。

NEC
Express5800/55Wc

53万から

PentiumIII(1GHz)
ServerSet III WS
512MB(256MB)×2 ECC SDRAM (133MHz)
36.3GB Ultra160 SCSI HDD
CD-RW : 標準装備 (8/4/32倍速)
グラフィック:TE4E Pro
その他LAN、FD、サウンドなど。
   

なんでこんなに違うんでしょう?Expressに使われている部品がものすごく高価なものだからこれだけの差があるんですけど、その各部品の価格は大体こんなもんです。2001年6月

PentiumIII(1GHz) 25,000  
マザーボードServerSet III WS 100,000
メモリRegistered SDRAM 256MB 60,000
ハードディスク: 36.3GB Ultra160 SCSI 52,800  
CD-RW : 標準装備 (8/4/32倍速) 10,000  
グラフィック:TE4E Pro 520,000  
合計 767,800

「?」になっているマザーボードとメモリは実物をお店で見たことがないので何ともいえないです。標準価格と友達からのうわさを総合して載せてあります。その他の価格は今現在秋葉原で、販売されている価格を元にしました。

この中で特に目立つのがビデオカード(グラフィックカード)の値段ですが、そのほかにもマザーボードとメモリーも市販されているものと比べると約5から10倍くらい高価jなものになっています。

これだけ高価なCADのパソコンなんですけど、はたしてどれだけ必要なのでしょうか?CADで3次元を扱うからってこんな高価なビデオカードを皆が必要としているとはとても思えません。

次に、なるべく安く3次元ようのパソコンを作り上げるにはどのくらいのスペックが必要なのか見ていきましょう。

 

3次元CADで必要そうな部品
     

なるべく安いマシンを作るといっても実用に耐えないようなマシンだと意味ありません。ここで3次元CAD用のマシンをつくるとしたら、どの程度のマシンが必要か、またどの部品にポイントを置いて構成したらいいいのか考えて見ましょう。

先ずパソコンの動作速度に一番関係する部品はCPUです。性能のよいCPUほど動作は速くなります。

次にビデオカード。これは画面の表示速度を決定します。マウスで3Dオブジェクトをいじっている時やたらとおそいなぁって思った時は性能のよいビデオカードに換えてやるとすごく早くなります。

マザーボード
これはCPUやメモリ、ビデオカードをつないでいる基盤です。CPUやビデオカードがいくら良くても、そこから他に伝達させるところで遅いと速度はそれほど向上されません。なのでこれもなるべく性能のいいやつがいいです。でも、CPUを決定するとマザーボードもある程度使えるものが限られてくるのでそれほど悩むことはないと思います。

その他
ハードディスクやメモリも大事ですが、CPUやビデオカードに比べると、何を選んでもそれほど代わりません。ただし、ハードディスクはソフトの起動やファイルの読み書きに直結してきますので、ファイルを頻繁にコピーしたり、バックアップしたりする人はいいやつを購入したほうがいいです。

ポイントは以上ですので、次に実際の商品を見ていきましょう。

 

今あるパソコン部品 - CPU -  (2001年6月)
      先ず、CPU選びからはじめましょう。
よくあるCPUとしては「Intel(R) Pentium(R) III プロセッサ」が良く使われています。先にあげたデルやコンパックでもこのCPUが使われています。このCPUはインテルというブランドネームと豊富な対応製品でよく売れています。サーバ用、ノートパソコン用の製品も充実しています。インテル以外のCPUではAMDが有名です。これは低価格のCPUで有名でした。しかし今は低価格のほかに動作速度も早くなったため非常によく使われるようになってきました。これらのメーカーのほか、VIAやTransmeta(トランスメタ)が知られています。

ちょっとまとめるとこんな感じです。

メーカー 名称 備考
Intel(インテル) Pentium(R) III (ペンティアム・スリー) Pentium(R)Ⅱの後継。
  Pentium(R)Ⅳ Pentium(R) IIIの後継。
  Celeron(セレロン) Pentiumの廉価版
AMD Athlon(アスロン) もう直ぐAthlonの後継が発売される予定。
  Duron(デュロン) Athlonの廉価版。Celeronと対抗している。
VIA Technologies Cyrix III(サイリックス・スリー) 非常に低価格でお手軽な商品。
Transmeta
(トランスメタ)
Crusoe(クルーソー) 低電圧でノートパソコン用によく使われている。
     

この中から低価格でなるべく性能のよいものを選ぶとしたら、AMDのAthlonになります。動作速度をあらわしているクロック数で言うとIntelのPentium Ⅳが1.7Ghzで、Athlonは1.4GHzが今ある最高のものになります。しかし3D表示のスピードは1.4GHzのAthlonの方が早いです。動画や音楽のようのソフトではPentiumの方が早いのですが、CADユーザにはあまり必要ないでしょう。

次に値段の比較ですが、Pentium Ⅳ 1.4GHzが大体6万円くらいで、Athlon 1.4GHzが3万くらいです。値段と速度を考えるとAthlonを選んだほうが絶対にいいです。

Athlonはもう直ぐPalomino(パロミノ)と呼ばれる新しいコアのものが発売される予定です。Palominoは今市販されているマザーボードでは動作しないのでPalominoをコアに持つAthlonを購入したい場合はもうちょっと待ったほうがいいかも知れません。
※今出回っているAtholonのコアはThunderBird(サンダーバード)といいます。Palomino(パロミノ)はもともと車の名前(カマロとかコルベット)をつけようとしてたらしいですが変更されて馬の名前に変えたそうです。黄金色の毛の馬?
ちなみにIntelではKatmai(カトマイ)とかCoppermine(カッパーマイン)などの地名をつけるらしい。

 

今あるパソコン部品 - ビデオカード- (2001年6月)
     
次にビデオカードなんですけ、これは種類いっぱいがありますので先ずまとめてみましょう。
チップセット メーカー 備考
GeForce3 Canopus、ELSA、Leadtek、PROLINKなど多数 Nvidiaのチップセット。この中では一番高性能。
GeForce2 GTS Canopus、ELSA、Leadtek、PROLINKなど多数  GeForceの改良版。
GeForce2 MX Canopus、ELSA、Leadtek、PROLINKなど多数  GeForce2の廉価版
Millennium G450 Matrox 2D表示に定評がある。 
RADEON ATI  Geforceの対抗。
KYROⅡ POWERCOLOR、Guillemot  速度はそれほどでもないがメモリを64M搭載。
Savage4 Colorgraphic  ちょっと古いかな。
RIVA TNT2 Canopus、ELSA、Leadtek、PROLINKなど多数  GeForceの一世代前のもの。定番だった。
その他多数    

 


ビデオカードはたくさんあり過ぎてここに上げたのはほんの一部です。NECのTE4E ProやGLoria、I Oxygenなどの高価なビデオカードは載せませんでした。
(載せてもいいのですが、それで組み立てるととても10万円では無理なので。)
ビデオカードを選ぶ場合は、どのチップセットが搭載されているかが非常に重要です。勿論、有名メーカーのビデオカードは洗練されていて性能もいいのですが、その性能は搭載されているチップセットによって大きく左右されてしまいます。
この中で一番有名なのがGeForceシリーズです。GeForceはつい最近GeForce3のチップセットを搭載した製品が発売されました。性能は抜群にいいのですが、価格が5万円くらいするので財布に余裕がある人向けだと思います。

一般的に言ってビデオカードで3万円以上のものは安くなるまで待ったほうがいいです。3万円というのは大体お買い得のCPUの値段からそう言われています。3万円以上だすなら、CPUをより早いものに交換したほうが、総合的に早くなるので、ずっとお徳です。

ここでは更に値切って、ビデオカードの価格帯は1万円から2万円の間にしたいと思います。その中で同じくらいの性能というとGeForce2 MXかMillennium G450、RADEON(その他KYROⅡもいいです)になります。この中で3Dにも強いのはGeForce2 MXとRADEONです。価格で言うとGeForce2MXが1万円くらいで、RADEON2万円くらいします。とりあえず、ここは価格でGeForce2MXにしておきましょうか?
※本当はRADEONの廉価版LEを勧めたいです。これは1万円くらいで購入でき、PowerStrip と言うツールを使って動作速度を少しあげるだけで本物のRADEONより性能がよくなります。ただしこのような方法はサポート対象外ですので、動作がおかしくなっても誰も助けてくれません。

AutoCADのLTしか使わないというのならば、ビデオボードをもっとやすいのにしてもいいと思います。5千円くらいかな(売れ筋じゃないので探すのが大変かも)。でも、それならあと5千円くらい出して1万円前後で最新のチップセットを搭載したものが購入できるので、ここではGeForce2やRADEONを搭載したものをお勧めします。

あと、GeForce2でも最近出たGeForce2 MX 400やGeForce2 MX 200は製品によって性能差ででてくるので、2,3ヶ月してもう少し落ち着いてからのほうがいいと思います。

AutoCADやMDTを使っていて、表示がおそいなぁって思う場合はオプションの「現在の3Dグラフィック表示」でアクセラレーションを「ソフトフェア」から「ハードウェア」にしてみてください。
メニューの「ツール」から「オプション」を選択。
「現在の3Dグラフィック表示」の右にある「プロパティ」を選択。

右下にある「アクセラレーション」を「ソフトフェア」から「ハードウェア」にしてドライバを「wopengl7.hdi」にします。


 

次回は

      もうちょっと話を進めようかと思ったんですけど、長くなるのでここで一端終わらせます。
次はマザーボードの選び方からやります。