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ホーム > AutoCAD > ブロック
週刊CAD講座 AutoCADの基本

第31回 「ブロック」

これまでは図形を作っては、そのままほったらかしでしたが、これからは少し再利用も考えたお話をしていきましょう。
一度作ったある図形を一まとめにしておき、後で再利用することができます。この時に使うのがブロックと言われている機能です。
ブロックは複数の図形、(線分や丸、四角など)を組み合わせて、登録しておくと一つの図形として扱うことができます。
こうすることによってユーザ独自のCAD部品集を作っておくことができるのです。

ブロックの登録
     

簡単な図形をブロックに登録して見ましょう。
メニューから「作成」「ブロック」から「ブロック定義」を選択します。コマンドラインからは「BLOCK」、ショートカットは「B」です。
※AutoCAD2000からブロックコマンドが「BMAKE」から「BLOCK」に変更されています。

ダイアログボックスが表示されます。LT98の場合は表示が多少変わっていますが、機能自体はそれほど変わりません。

名前
名前は任意に好きな名前を入力することが出来ます。部品の品番や他のCADデータを参考に名称をつけます。
使用できる文字や文字数は、255文字までのWindowsと同じ文字が使えます。
※特殊文字も使うことができますが、後々のことを考えると半角英数字の8文字までの文字にしておいたほうが無難です。

基点
ブロックにした後どこを中心にして挿入、移動したりするかの点を決めます。自分が使いやすいところを基点にしておきましょう。

オブジェクト
どの図形をブロックとして登録するかを選択します。オプションの項目はブロック作成後に元図形をどのようにするかを選択できます。
LT98の場合は「ブロックに変換」の項目がないと思います。

プレビューアイコン
LT98にはないと思います。ブロックを挿入するときに仮表示のプレビューを表示させるかどうかを決めます。

その他
単位とブロックについての解説をつけることができます。

 

ブロック作成の練習
     

今仮にこんな図形を作ったとしましょう。

選択してみると、線分や円弧の状態でばらばらになっています。

移動やコピーを作ると時にはすべてを選択しなくてはならないし、表示も表示見難くなってしまいます。他の図形と近接している場合には、選択するのにも一苦労してしまいます。

これをブロックにすると、挿入基点が一箇所表示され、ブロックのある一点をクリックするだけで図形を選択することができるようになります。

操作方法は、まず、メニューから「作成」「ブロック」から「ブロック定義」を選択します。
※ブロックの場合はショートカット「B」を使ったほうが楽です。

先ほどのダイアログが表示されますので、名前を付けます。(例)T-SWITCH
次に挿入基点を指定します。他の図形を組み合わせるのに便利な個所を挿入基点にします。
矢印ボタンを押してオブジェクトスナップを使って点を指示します。

点をクリックすると自動的にダイアログ画面に戻ります。X,Y座標にその点の座標値が入力されていると思います。
次にオブジェクトボタンを押してブロックに加えたい図形を選択します。選択後、マウスの右クリックして元の画面に戻ります。

以上で終了ですので、ダイアログのOKボタンを押します。

見た目は何も変わっていないと思いますが、元図形が一つになっているはずです。LT98の場合は、元図形が変更されていません。
LT98のBMAKEコマンドはブロックを他の図面に挿入できるように、DWGファイルで書き出せるようになっています。2000ではブロックの書き出しはWBLOCK(ブロック書き出し)を使います。
※WBLOCKコマンドはLT98にもあります。

次にブロックを挿入して見ましょう。

 

ブロック挿入
     

作成したブロックを図面に取り込むにはINSERT(ブロック挿入)コマンドを使います。
メニューの「挿入」から「ブロック」を選択します。ショートカットは「i」です。
※LT98ではDDINSERTコマンドでした。

先ほど作成した、ブロックの名称が表示されていると思います。
ブロック挿入は、画面上で挿入位置、尺度、回転を決めながら図形を挿入できますので、そのままOKボタンを押します。
適当な位置に挿入してみてください。
※パワーパーツを使ったことのある方はすぐに分かると思いますが、パワーパーツも挿入時にはブロック挿入コマンドを使っています。

BMAKEとBLOCKコマンドは基本的に同じ図面内で使っている間だけ、ブロック挿入が有効になります。しかし実際に利用する場合は、他の図面内へも同じブロックを挿入したいと考えると思います。その場合はWBLOCKコマンド(ブロック書き出し)で図形だけを別図面として書き出しておき、コンテントエクスプローラやデザインセンターで必要に応じて挿入することになります。

次回は

      今回はブロックの一回目と言うことで、基本的な操作のみお話しました。実際はもうちょっと便利な機能がありますので、次回以降徐々に、お話していきたいと思います。ブロックはやることがたくさんありますので、今回扱ったBMAKE、BLOCK、DDINSERT、INSERTコマンドの使い方はしっかり覚えておいてください。
次回はブロックの挿入を扱う予定です。